ノーマル状態でもそれなりの悪路を走破できるジムニーですが、十分とは言えない場面に出くわすこともあります。
ジムニーのオフロード走破性はカスタマイズ次第で大きな差が出ます。いったいどんなことをすればオフロード走破性を高められるのでしょうか?
今回は、「基本編」「完全編」「究極編」の3つのパートに分けて紹介していきます。
目次 |
●基本編 ●完全編 ●究極編 |
基本編
第一段階としてやってほしい基本メニューから紹介します。
ジムニーカスタムでは定番ともいえる内容で、初歩的なカスタムではあるものの十分にオフロード走破性は向上します。
リフトアップ
起伏の激しい悪路を走破する上での理想は「4輪が地面に接地しトラクションが掛けられる状態にあること」です。
そのためにはサスペンションのストローク量を確保するためにリフトアップが必要となります。
ただ単に車高を上げるだけではなく、リフトアップ量に見合った長さのショックアブソーバーや、バンプ位置の調整などのサスペンションセッティングが求められます。
4×4エスポワールはジムニーのリフトアップパーツをメインに取り扱っておりますので、お気軽にご相談下さい。
大径マッドタイヤ
リフトアップして4輪が接地しやすい状態を作ったとしても、タイヤ自体に十分なグリップ力がなければ意味がありません。
オフロードで十分なグリップ力を得るためには、マッドタイヤへの変更が必要不可欠といえるでしょう。
さらに、タイヤの外径を大きくすることで、障害物を乗り越える際に有利になる(以下、図参照)だけでなく、最低地上高を稼ぐことができるため、腹下が引っかかりにくくなるというメリットも得られます。
ワイドトレッド化
オフロード走行における転倒の多くは、車体が左右どちらかに傾き、耐えきれずに倒れてしまうことが大半です。その対策として最も有効なのが「ワイドトレッド化」です。
特にキャンバー地形の走破性が高くなり、通常なら転倒してしまうような角度でもトレッドを広げることで車体が安定し踏ん張りが効くようになります。
リフトアップ車は重心が高くなるため、トレッド幅を広げる必要性が高く、特にジムニーの場合、車高を4インチ以上リフトアップすると転倒しやすくなるため、ワイドトレッド化は必須メニューと考えてもらっていいと思います。
トレッド幅を広げる具体的な方法としては、ホイールのオフセット量を調整するか、ワイドトレッドスペーサーを使用する方法があります。
競技に参戦するジムニーの多くはワイドトレッド化されている
ガード
直接的にはオフロード走破性に影響しないものの、車体を守ることもオフロードを走るあたって基本的な部分です。
ボディへのダメージはある程度仕方ないとしても、機関類へのダメージは致命的です。最悪の場合は走行不能に陥ることも考えられます。
特にデフや腹下のトランスファーなどヒットしやすい部分には、強い衝撃にも耐えられる頑丈なガードを装着することを強くお勧めします。
また、テクニックが向上するにつれて、走る場所のレベルが上がり危険度も増すため、転倒時に乗員を保護するロールケージの装着も必要となってきます。
完全編
ここからが本格的なオフロード走破性の向上に繋がるといっていいでしょう。
ハード系オフロードを走るなら絶対的に求められるメニューばかりで、間違いなくジムニーの走破性をグッと高めることができます。
トラクションデバイス
飛躍的にオフロード走破性を向上させるアイテムともいえるのがトラクションデバイスです。
トラクションデバイスは、左右輪の回転を制御するデファレンシャルギア(以下デフ)に変更を加えます。
デフは構造上、接地していないタイヤに駆動を伝えてしまうため、起伏の激しいオフロードでは裏目に出てしまいます。そこでトラクションデバイスによって、デフをコントロールし、接地しているタイヤに駆動を伝えられるようにします。
メーカー側もトラクションデバイスの必要性を認識していて、現行ジムニーJB64系(2018~)では「ブレーキLSDトラクションコントロール」が標準装備されるようになりました。
トランスファーダウンギア
坂道発進する時を思い浮かべてください。1速で発進することは容易ですが、5速で発進することは困難です。
この例えで何が言いたいかというと、ギア比が低いほど大きな駆動力が得られる点です。
非力なジムニーにとってギア比を低くするダウンギアはオフロード走破性の向上に大きな効果があります。
トライアルやクロカンなどの難所系オフロードでは、エンジンのパワーアップよりもギア比によって出力特性を変更するのが一般的です。
それだけでなく、スピード任せで走破していたラインも、ゆっくり歩くような速度で走ることができるので、狙ったラインを通しやすくなります。また、スピードを抑えて走行できるため衝撃が少なく、車体への負担を軽減することができます。
ドライブシャフト強化
ジムニーでオフロード走行をすると絶対と言っていいほど壊れる(折れる)ポイントがあります。それはドライブシャフトです。
ドライブシャフトが折れてしまうと、駆動を伝えることができなくなるため、多くの場合、走行不能に陥ります。
トライアルやクロカンではドライブシャフトの予備を積んでおき、現地で交換することも珍しくありません。
特にダウンギアやトラクションデバイスを装備した場合には純正のドライブシャフトでは強度が足りず、折れる確率がさらに高まるため、強化がは必須と考えておいたほうが良いでしょう。
ウインチ
クロカン走行では装着することがマナーとして認識されているのがウインチです。その理由は簡単で「ウインチあり」の方が圧倒的にオフロード走破性が高いため、「ウインチなし」のクルマが同じレベルで走れない(≒迷惑をかける)からです。
険しい悪路を走行していると、自力での走行ができない地形や、転倒が避けられないような場面に出くわすことがあります。こういった状況では、早い段階でウインチを使用することによって難なく切り抜けられるケースが多くあります。
見方を変えると、ウインチさえ装備しておけばトラクションデバイスやダウンギアが装備されていなくても、ある程度の走破性を確保できると考えてもいいでしょう。
ウインチを使いこなせば強い味方となる
究極編
究極にまでオフロード走破性を高めたいなら、よりコアなメニューも存在します。
しかしながら、ここまでくると競技用マシンの域に入っているといっても過言ではなく、実際に必要となるのは一部の人でしょう。
それでも走破性が向上することは間違いないので、最終的な到達点として基準にしておくと良いかもしれません。
ビードロックホイール
オフロード走行では、タイヤのグリップ性能を最大限に引き出すために空気圧を低くします。すると、タイヤの耳部分(ビード)がホイールから外れてしまう「ビード落ち」が発生することがあります。
ビードが落ちてしまうと気密性が失われ、空気圧が保持できなくなりパンク状態に陥るため、自走が困難な状態となります。
ビードロックホイールはタイヤのビード部分をボルトで固定することで「ビード落ち」を防ぎます。
ロッククローリング用のマシンではマストアイテムの一つとされ、ジムニーをベースとしたロック競技車両でも多く見られます。
しかし、トライアルやクロカンではビードロックホイールが装着されることは少なく、タイヤにチューブを入れることで空気圧を落とす手法が取られます。
4WS化
今回紹介する中でもっとも現実味がないものかもしれません。4WSは前輪だけでなく後輪も操舵できるようにする改造です。
競技用マシンレベルが装備する機構ではありますが、小回りが効くようになることで普通なら通れないようなラインが走行できるようになります。
まずはリフトアップから始めてみては?
ジムニーのオフロード走破性を高めるためには様々な方法があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
まずは基本となるリフトアップから始めてみませんか?
4×4エスポワールはジムニーのリフトアップを得意としており、自社商品も豊富に取り揃えております。
その他にトライアル競技にも参戦しておりますので、オフロード仕様のジムニー作りのお手伝いもできます。お悩みの方はお気軽にご相談下さい。
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