いまだに人気の高いジムニーJA11系の特徴といえばサスペンションにリーフスプリング(板バネ)を採用していることです。
リーフスプリングの車に必ず付いているパーツが「シャックル」です。聞き馴染みのないパーツかもしれませんがリーフスプリングとボディを繋ぐための重要なパーツで、ジムニーJA11系には様々な種類のシャックルがあります。
初めてジムニーをイジるユーザーにとってはどんな種類があって、どんな効果があるのか知りたいのではないでしょうか?今回はジムニーJA11系の社外シャックルの種類について紹介していきたいと思います。
★シャックルを社外品に交換して車検を受ける場合は強度検討書を用意し構造変更を行う必要があります。
ストレートシャックル
画像:JIMKEN TAC
純正形状のストレートシャックルは何かに特化している訳ではありませんが、強度面においては安心できる構造なので車高アップ用のロングシャックルによく用いられます。(ロングシャックルについて詳しくはジムニーJA11系のリーフ車を簡単にリフトアップする方法をご覧ください)
サスペンションのストロークをそれほど必要としない街乗りユーザーならストレートシャックルで十分です。
逆にジムニーJA11系のリーフ車でサスのストロークを稼ぎたいならストレートシャックル以外の選択肢をおすすめします。
ブーメランシャックル
ジムニーJA11用の社外シャックルでよく見るタイプがこのブーメランシャックルです。多くはリア用として使われます。
ブーメラン形状になっているのには理由があって、ジムニーJA11系にはサスペンションが伸び過ぎないようにシャックルの動きを止めるストッパーがついています。
それがブーメランシャックルを装着するとストッパーに当たるまでの距離が稼げるので、サスペンションのストロークを多く確保することが出来ます(下画像参照)。
画像:K-PRODUCTS
デルタシャックル
デルタシャックルはジムニーJA11系のフロント用のシャックルに使われ、ブーメランシャックルと呼ばれたりもします。
デルタシャックルの特徴は取り付け穴によって目的・使い方を変えることが出来る点です。1つは反転防止シャックルとしての使い方です。
もう1つの使い方はリーフに合わせてシャックル長を2パターン変えられる点です。シャックルの長さが変わるとリーフの動きも変わるので、リーフのセッティングを変えたいときに有効なパーツとなります。
ちなみにシャックルのラインナップは4×4キタガワさんが1番豊富だと思います。
シャックルの反転とは
先ほどの説明の中に「シャックルの反転」とありましたが一体どんな状態なのかわからない方も多いと思います。
本来のシャックル可動域を超えてしまった状態を「シャックルの反転」といいます(下画像)。サスペンションが伸び切っている状態でシャックルに衝撃が加わってしまった時などに発生しやすい症状です。
あらかじめデルタシャックルのような反転しない構造になっていればトラブルを未然に防ぐことが出来ます。
スキッドシャックル
画像:モーターファーム
スキッドシャックルはジムニーJA11系のフロント用のシャックルで、前面のプレートが障害物をスキッドして(滑らせて)くれます。また反転防止シャックルとしての機能もあります。
ハードなクロカン走行ではシャックルが障害物に引っかかってしまうこともあり、前に進めなくばかりかシャックルの反転にも繋がります。スキッドシャックルを装着していればそのようなシーンに遭遇しても怖くありません。
スキッド性を更に高めたい場合には前面にプレートではなくコマを付けたローラーシャックル(4×4キタガワ)もあります。
ワイドシャックル
画像:GSオート
シャックルの幅を広くしたワイドシャックルはリーフがねじれやすい状態を作ることを重視したシャックルです。
実はリーフは「たわみ(縦)」だけでなく「ねじり(横)」の動きもあるので、サスペンションを大きく伸ばすためにはねじりも重要な要素になります。
特にワイドシャックルの効果が出るのはリーフのたわみだけでは対応できないフルストローク時です。
画像:アルマージ
グリーサブルシャックル
ショップ:プロスタッフ
シャックルを車体に装着したままピンとブッシュの間にグリスを注入できるシャックルがグリーサブルシャックルです。
通常のシャックルでは経年によってブッシュの劣化やピンの腐食が発生しシャックルの動きを妨げる原因となります。
グリーサブルシャックルならピンとブッシュ間を常に良いコンデションで保てるためサスペンションの動きを妨げません。
オフロードでの走破性アップを狙った社外シャックルがほとんどの中で、このグリーサブルシャックルはオンロードでの乗り心地改善も望めそうなシャックルです。
エルボーシャックル
画像:ACR
シャックル自体を肘のように伸び縮み出来るようにしたエルボーシャックル(中折れシャックルとも呼ばれる)はジムニーJA11系のリーフ車のサスストロークを飛躍的にアップさせることが出来るパーツです。
リーフとショックのセッティングをキチンと煮詰めればリーフ車とは思えないストロークを実現することができます。
シャックル自体に可動部分があるため残念ながら高速走行が得意とは言えません。オフロードに特化したシャックルと割り切ればクロカンやトライアルでは強力なアイテムとなります。
リボルバーシャックル
画像:ゴッチインターナショナル
中折れシャックルのバージョンアップ版とも言えるリボルバーシャックルは、伸び縮みだけでなく回転も出来るシャックルです。
ワイドシャックルの項目で説明したリーフのねじれる動きをシャックル自体でもアシストするため、さらにストロークを確保することができます。
リボルバーシャックルの元祖はテラフレックスという海外メーカー(上画像)ですが、日本でもリボルバーシャックルを模した製品を見かけることがあります。
まとめ
今回はジムニーJA11系の社外シャックルについて紹介してきましたが、まず冒頭でもお伝えした通りジムニーJA11は社外シャックルへ交換すると車検時に構造変更が必要となる点は要注意です。
シャックルの種類については基本的にオフロードでの走破性アップやサスストロークの向上を狙ったものばかりですが、どのシャックルが1番良いと決められないのがジムニーの面白いところで、リーフとのマッチング等によって適したシャックルは変わります。
ジムニーJA11系の社外シャックルについて今回で少しは知ってもらえたと思うので、ぜひ今後の足回りチューニングの参考にしてみてください。
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