ジムニーカスタムの中でもちょっと予備知識が必要となるパーツがオーバーフェンダーです。
見た目がワイドになってカッコよくなる反面、注意点を理解しておかないと車検で面倒くさいことになったりします。
ジムニーにオーバーフェンダー選ぶにあたっては2つのポイントに注意しなければなりません。何を注意しなければいけないのか紹介していきます。
目次 |
●まとめ |
車検に通すための「出幅サイズ」
まず1つ目にジムニーのオーバーフェンダー選びで注意しておかなければならないポイントは「出幅サイズ」です。
オーバーフェンダーの出幅サイズは9mm~100mmといった幅広いラインナップが揃っています。出幅サイズによって車検に通るオーバーフェンダーもあればそのまま車検に通らないオーバーフェンダーもあります。
車検に対応する出幅サイズはミリ単位の精度が求められます。そのまま車検に通らない場合は色々な手続きが必要となります。
9mm以内なら車検対応
そのまま車検に通るジムニーのオーバーフェンダーの出幅サイズは片側で9mm以内が限度となります。
根拠となるのは天下の国土交通省のホームページに載っている以下の表をご覧ください。
構造装置の軽微な変更時の取扱いについて
使用過程における自動車について、軽微な変更となる自動車部品の取り付けについては、構造等変更に係わる諸手続きを簡素化し、平成7年11月22日から実施しました。この場合の軽微な変更とは、
1.自動車部品を装着したときに寸法(長さ、幅及び高さ)及び車両重量が一定範囲内である 場合。
長さ 幅 高さ 車両重量 小型・軽自動車 ±3cm ±2cm ±3cm ±50kg 普通・大型特殊自動車 ±3cm ±2cm ±3cm ±100kg 2.指定する自動車部品(以下「指定部品」という。)を溶接またはリベット以外の取り付け 方法により装着した場合が該当し、この場合には、諸手続きが不要となります。 なお、これらの軽微な変更となる自動車部品を装着した状態においても、道路運送車両の保安基準に適合していることが必要であり、これはユーザーの責任において管理していただくこととなります。また、新規検査又は予備検査においては、検査時の状態で自動車の諸元を決定する従来どおりの取扱いとなります。
参考:自動車検査・登録ガイド【国土交通省】
オーバーフェンダーの取付に影響する「幅」の項目について、±2cm(20mm)以内であれば諸手続きは不要と書いてあります。
言い換えると片側で9mmのオーバーフェンダーなら、両側で18mmに収まるので車検では問題ないと解釈できます。
これを裏付けにジムニーには出幅サイズが9mmのオーバーフェンダーが豊富にラインナップされています。
ただし、この規定が適用されるのは継続検査のみです。新規検査や予備検査では、オーバーフェンダーも車体の一部として計測されるため、注意が必要です。
9mmを超えると構造変更
オーバーフェンダーでドレスアップ性を求める場合、9mmでは物足りないと感じる方も多いかと思います。しかしながら9mmを超える場合は構造変更が必要となります。いわゆる「公認」を取得するわけです。
ここでシビアな問題となるのが軽規格のジムニー(現行JB64/先代JB23など)です。ジムニーの全幅は軽規格いっぱいに作られています。そこに両側で20mmを超えるオーバーフェンダーを装着した場合、車体のサイズが軽規格を超えてしまうため、構造変更とともに普通車に格上げしなければなりません。
実際は維持費や手続き費用といったデメリットが大きいため、車検の度にオーバーフェンダーを外すユーザーも珍しくなく、結局のところ構造変更をするかどうかはユーザーの自己責任・自己判断となります。
車検に通すための「取付方法」
ジムニーのオーバーフェンダーの車検を通すために注意しておかなければならないポイントの2つ目は「取付方法」です。
市販品であれば取付方法が決められていて問題となることは少ないですが、自作品や汎用のオーバーフェンダーの場合は注意してほしい点です。
理想は「固定的」な取付をすること
オーバーフェンダーを車検に通すためにはボルトやビスなどを使用した「固定的」な取付が理想です。要するに車体から外れる恐れがない取付方法が求められます。
簡易的な両面テープの取付であっても車体から外れる恐れがないと判断されれば車検に通りますが、各地方の陸運局によって見解の違いがあるため最終的には検査員の判断に委ねられます。
市販品の場合は適切に取り付けられていることが多いですが、自作品や汎用品の場合には、車検で指摘されないよう、確実な取り付けを行いましょう。
フェンダーモールとの違いも知っておこう
ジムニーのオーバーフェンダーに関する車検での基本的な注意ポイントは以上です。
ここからはオーバーフェンダーとは似て非なるパーツである「フェンダーモール」との違いも知ってもらいたいと思います。他にフェンダーカバー、フェンダーアーチモールとも呼ばれます。
2つのパーツの違いを理解するには「指定部品」の知識が必要となります。
- 指定部品: フェンダーモール(装飾する目的)
- 指定外部品: オーバーフェンダー(はみ出したタイヤをカバーする目的)
このように同じ場所に取り付けるパーツでも目的によって扱われ方が違います。詳しくは愛知県自動車整備振興会が作成された指定部品の取扱いフローチャートがとても参考になります。
フローチャート内にある「一定範囲内か」の項目は、オーバーフェンダーの場合、両側で20mm以内に収まっているかどうかが問われます。※<9mm以内なら車検対応>の項目で示した表を参照
判断が分かれる場合もある
指定部品のルール通りならフェンダーモールが片側で9mm以上あっても車検に通るはずですが、9mmを超えた時点でオーバーフェンダーとみなす場合(参照:検査業務Q&A【苫小牧地区自動車整備協同組合】)や、常識的な範囲なら問題ないと判断する陸運局もあるようです。何とも煮え切らないですが、こういった見解の違いは車検では珍しくありません。
他にも難しい判断事例として、以下のような問題があります。
- 「タイヤがはみ出して無ければオーバーフェンダーでもフェンダーモールの扱いになるのか?」
- 「フェンダーモール扱いの商品でもタイヤのはみ出しをカバーしていればオーバーフェンダーとして扱われるのか?」
これらの判断においては、出幅サイズや取付方法が関係するのはもちろんのこと、陸運局による見解の違いによってフェンダーモールの判断が分かれる場合があることも知っておきましょう。
【番外】ちょっとだけならはみ出しタイヤは許される
オーバーフェンダーに深く関係することと言えばタイヤのはみ出しですよね。実は片側で10mm以内であればはみ出しタイヤは許されます。
タイヤのサイズアップで微妙にフェンダーからタイヤがはみ出たからといって、オーバーフェンダーの装着が必須とはなりません。
ただし、対象となるのは現行ジムニーJB64/74と先代のJB23/43の5ナンバー車(乗用車)のみです。4ナンバー車(貨物車)のジムニーJA11やSJ30は対象外です。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみて下さい。
まとめ
色々と情報を盛り込んでしまった今回のジムニーのオーバーフェンダーの車検の記事ですが、シンプルに9mmを超えるかどうかを基準にすれば考えやすいと思います。
車検のことが気になるとは思いますが、あまり難しく考えず自分がカッコいいと思うオーバーフェンダーを付けてほしいところです。
4×4エスポワールにはジムニーJB23用の90mmオーバーフェンダーとJA11用の90mmオーバーフェンダーをラインナップしています。カッコよく見せるタイヤとのマッチングのノウハウも持っていますのでお気軽にご相談下さい!
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