ジムニーカスタムを進めていくにあたって車検は切っても切れない関係です。
中でも王道のリフトアップスタイルで車検に対応しようとするなら、今回取り上げる「直前側方視界基準」を満たさなければなりません。
新型ジムニーJB64/74だけでなく先代ジムニーJB23の一部の型式でも直前側方視界基準が検査対象となり対策が必要になる場合があります。
これからリフトアップを検討している方や、既にリフトアップしているけど何も対策をしていない方は要チェックです!
★2021年9月 一部更新
★2024年3月 一部更新
直前側方視界基準とは?
2007年(平成19年)1月1日以降に製造された車両から適用される基準で、正しくは直前直左確認鏡の技術基準と言います。ザックリ言うと「運転席からの視界を確保するためのルール」です。
ジムニーで対象になるのはJB23-6型の途中以降と現行のジムニーJB64/74です。
リフトアップするとどうしても死角が増えてしまうワケですが、直前側方視界基準で検査されるポイントは以下の図のように車両直近の視界です。
画像:ジムニー車検について! 直前直左 – K-PRODUCTS
実際の車検場でもリフトアップ車両など車高の高い車は図の通りの高さ1m、直径0.3mのポールをジムニーの周りに置いて検査されます。
あと、呼び方について直前直左視界基準や前方側方視界基準など似たような言葉がありますが指していることは同じです。
リフトアップはできない?
直前側方視界基準の対策さえすればリフトアップはできるので安心して下さい。
対策をせずにリフトアップできる限界はジムニーJB23-6型以降(9型以降は特に注意)だと3インチアップ(75mm)程度、現行のジムニーJB64/74なら2インチアップ(50mm)程度からボーダーラインです。
ただ、タイヤサイズによっても高さが変わったり車検場の検査員によっても見解が違うので全て断言できるわけではありません。参考程度に覚えておいて下さい。
直前側方視界基準の対策
ジムニーで直前側方視界基準の対策が必要となるのは、先述の通りジムニーJB23/43系の一部と現行ジムニーJB64/74の2つモデルです。
車体の形状・サイズが異なることから運転席からの視界も当然異なり、リフトアップ量によって対策方法も異なります。特に影響を受けるのはフロントの直前視界です。
ジムニーJB23の中でも9型以降(JB43では8型以降)はボンネット形状が変更され直前視界が見えづらくなっています(以下の画像参照)。
現行ジムニーJB64/74の場合は、ノーマル車高でも先代のジムニーJB23より全高が高く、ボンネット形状も関係して直前視界が確保しにくくなっています。
対策するに当たっては、上記のようなジムニーのモデル・型式ごとの特徴を理解した上で対策方法を考えなければなりません。
ミラー・鏡
ジムニーJB64/74の純正左ミラーには「サイドアンダーミラー付ドアミラー」が装備され、左側方の視界についてはかなりの視界を確保してくれています。
アナログな対策法ですがジムニーJB23の一部の型式であれば、手間はかかりますがJB64/74の「サイドアンダーミラー付ドアミラー」を流用して対策する事例もあります。
車外ではなく車内にミラーを取り付けて直前側方視界を確保する方法も存在します。
DIYが得意な方なら数百円程度のミラーで低コストに対策することも可能です。
ミラーの形状によっては小さくて見え辛かったりする場合や、見えやすくしようとするとミラーのサイズが大きくなり見た目としてはいまいちになってしまうため、実用性と見た目を両立するのは難しい対策方法でもあります。
車外・車内のいずれの場合でも取付方法などが悪ければ、例え視界を確保していても車検に通らない場合があるので要注意です。
吸盤や粘着テープなどの簡単に脱着できるものはNGとされ、ネジやボルトなどでしっかり取付されていなければいけません。
以下のリンクは基準に適合しない取付方法を図付きで解説してくれています。
参考:保安基準に適合しません(PDF) – 自動車技術総合機構 NALTEC
カメラ
実用性も含めて対策したいならカメラの方が便利に使えて有効な対策法です。
カメラであれば直前側方視界基準の対策のためだけでなく、視認性が高いため普段使いやオフロードでも活用することができます。
実用例で言うと見通しの悪い交差点では、前方のフロントカメラを使って歩行者が飛び出してこないか確認できたり、オフロード走行時には荒れた地形でも安全にラインをトレースすることができます。
ミラーと同じようにカメラにも取付方法に要件がありますので要注意です。取付方法に問題がなくても配線が露出していると車検で指摘される場合もあったりします。
以下のリンクは基準に適合するカメラの取付方法が紹介されています。
参考:取付方法等に関する要件が変わります(PDF) – 自動車技術総合機構 NALTEC
独立したモニターが必要?
カーナビ内にカメラの映像を映し出す場合にはナビゲーション機能とカメラ機能を兼用することになってしまいます。そうすると直前直左の視界を常時確認できないことになるため視界を与える機能としては不完全としてNG判断をされることがあります。
解決策としてはカメラ専用の独立したモニターを用意することです。常に直前直左部分の映像を映し出すことでドライバー自身の視界を確保することができます。
ドライブレコーダー
ドライブレコーダーも立派な対策方法です。ただ、これも陸運局の見解によっては視界を確保していたとしても固定方法や機能条件などでNGとされる場合があるので要注意となります。
例えばフロントガラスに貼り付けるタイプのドライブレコーダーは固定位置や映像が記録されていることが条件に求められます。つまり単なるカメラ機能だけでは不適合とされる可能性があります。
フロントガラスに貼り付けないミラー型ドライブレコーダーなどの場合は映像の記録が求められない反面、ルームミラーとの固定がゴムバンドなどの場合、簡易的に脱着できてしまうためNG判断とされてしまうことがあります。中には固定方法を改善した直前直左対策として使用できるミラー型ドライブレコーダーも存在します。
画像:アウトクラス
最後に
直前側方視界基準について取り上げてみましたが、現行ジムニーJB64/74系とジムニーJB23/43の一部はリフトアップ量によって対策が必要になることがわかってもらえたと思います。
対策方法や基準については陸運局によって判断が異なるため、多目に見てくれることもあればきっちりチェックされる場合もあります。
確実な方法は事前に管轄の陸運局に確認しておけばスムーズに車検を進めることができるでしょう。ジムニーを合法的にカスタムするならよく調べてからがオススメです!
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