ジムニーに限らずDIYメンテナンスの代表的な作業といえばオイル交換ではないでしょうか。
簡単な作業ではあるものの決められた交換時期やオイル量、規格・粘度などを守らなければいけません。
自分でジムニーのオイル交換をするにあたって知っておいたほうがいいことについてまとめてみました。
★2023年4月 「エンジンオイル以外にも交換しなければいけないオイル」 追加
★2024年9月 一部更新
目次 |
ジムニーのエンジンオイル量 一覧表
歴代ジムニー・ジムニーシエラのメーカー指定のオイル量の一覧表を作成しましたので、オイル交換時の参考にしてみてください。
型式 | エンジンオイル量 |
---|---|
JA71 | 2.5 (2.8) |
JA11 JA12 |
2.7 (2.9) |
JA22 | 2.8 (3.0) |
JB23 (4型まで) |
2.8 (3.0) |
JB23 (5型以降) |
2.8 (3.0) |
JB64 | 2.6 (2.8) |
JB33 | 3.5 (3.7) |
JB43 | 3.8 (4.0) |
JB74 | 3.6 (3.8) |
※単位:リットル
※エンジンオイル欄の下段()内はオイルフィルター交換時
オイルの交換時期
交換の目安はジムニー(660cc 軽自動車)とジムニーシエラ(1300cc/1500cc 普通車)で異なります。
交換時期が2車種で異なる理由は、660ccの軽ジムニーに搭載されるターボエンジンのターボ装置が700℃以上の高温な状況下に置かれるためです。
以下、現行型のJB64ジムニーとJB74ジムニーシエラのオーナーズマニュアルより引用します。
- ジムニーの場合、標準的な使用方法では、エンジンオイルは5,000kmごと、または6ヶ月ごとのどちらか早い方で交換し、エンジンオイルフィルターは10,000kmごとに交換してください。
- ジムニーシエラの場合、標準的な使用方法ではエンジンオイルは15,000kmごと、または12ヶ月ごとのどちらか早い方で交換し、エンジンオイルフィルターは15,000kmごとに交換してください。
- 厳しい条件(シビアコンディション)で使用した場合は、標準的な場合より早めの交換が必要です。
この条件は歴代のジムニーにもほぼ共通しています。ユーザーによってはエンジンを良好な状態に保つためにより短いスパンで交換する場合もあります。
エンジンオイルの規格・粘度
ジムニーに使用するエンジンオイルには決められた規格、そして粘度があります。
現行型のJB64ジムニーとJB74ジムニーシエラのオーナーズマニュアルより引用します。
オイルの規格
表1はオイルの規格に対する表です。この表に記載されている規格のオイルならジムニー、ジムニーシエラのどちらにも使用できます。
一般に、オイルの規格が高いほど省燃費性能・耐久性などに優れていると判断することができます。
また、オイル選びではベースオイルの種類も重要です。以下の選択肢があります。
- 全合成油: 高性能を求めるならこちら。エンジンの保護や長寿命が期待できます。
- 鉱物油: 価格重視ならこちら。基本的な性能でコストを抑えたい場合におすすめです。
- 部分合成油: コストと性能のバランスを考えるならこれが適切です。
参考:エンジンオイルによくある鉱物油ってどういう意味?他のベースオイルもご紹介【イエローハット】
オイルの粘度
表2はオイルの粘度を示しており、数値が高くなるほど粘度が高いオイルであると判断できます。
-
ジムニー(ターボエンジン): 指定粘度は5W-30のみ。旧型のジムニーでは10W-30が指定されている場合もあります。
-
ジムニーシエラ(自然吸気エンジン): 指定粘度が3種類あり。一般的なアドバイスとして、
- 粘度の高いオイル→エンジン保護重視。過走行車や負荷の高い走行をする場合や気温の高い夏場に適しています。
- 粘度の低いオイル→燃費性能重視。気温の低くなる冬場にも最適です。(※もっとも粘度が柔らかい0W-16の粘度については、旧型のジムニーシエラやジムニーワイドでは指定粘度に含まれていないので注意が必要です。)
ジムニーはオイル交換がやりやすいクルマ
初めて自分でオイル交換にチャレンジする方にとっては、少しハードルが高い作業と感じているかもしれません。でも安心して下さい。ジムニーはオイル交換がやりやすいクルマなんです。
その理由はジムニーが車高が高い車だからです。セダンやワゴンなどの乗用車は車体下に潜るスペースが狭く、オイルを抜き取る際にジャッキやスロープが必要になる場合があります。しかし、ジムニーなら車高が高いので車体下のスペースが広く、そのまま潜り込めるので作業性が良好です。
オイル交換を怠るとどうなる?
クルマの調子が良ければオイル交換をついつい忘れてしまいがちですが、そのまま放ったらかしで走り続けるとオイルの劣化やオイル量の減少によって、エンジンの異音・振動が大きくなり故障へと繋がります。
オイル管理をしっかり行っていないエンジンはスラッジ(汚れカス)が堆積してしまい潤滑不良が起こり、オイル自体が循環できず最悪の場合エンジンが焼き付いて走行不能に陥る可能性があります。
上の画像はオイル交換を怠ったことによりエンジン不動に陥った車両です。しかも新車から4年しか経っていない車両(BMW523i)です。
新しいクルマでもオイル管理を怠るとこのようにエンジン内部はヘドロ状のスラッジが溜まり、とても正常な働きができる状態ではなくなります。
場合よってはエンジンの載せ替えが必要になるケースもあり、高額な修理となる場合もあります。こまめにオイルを交換さえしておけば防ぐことが出来るトラブルなので無駄な出費を防ぐためにもオイル交換は重要です。
エンジンオイル以外にも交換しなければいけないオイル
ジムニーには、エンジンオイル以外にも交換する必要があるオイルがあります。
エンジンオイルの交換よりも認知度が低いのであまり意識されていませんが、走行とともにオイルの劣化が進むことには間違いないので適切なサイクルでの交換が必要となります。
ただ自分で交換する場合、どれもエンジンオイルの交換よりも作業難易度が高くなり普段使わないような工具なども必要になるため、初心者向きの作業とはいえません。あまり自信がないならプロに任せたほうが良いでしょう。
トランスミッションオイル
前進と後進を切り替える変速機の潤滑を行うオイルです。MT車とAT車で異なるオイルが使用されていて、MT車は一般的なギアオイルが使用されていますが、AT車は何かと注意点があります。ATF(オートマフルード)といわれる専用のオイルが必要となり、交換方法も特殊(圧送方式など)なため気軽に交換できる部分ではありません。また、交換方法によっては不具合が発生する事例もあることから要注意です。
◎AT車
・交換サイクル:4万キロ(シビアコンディション:3万キロ)
・指定オイル:ATF 3317
◎MT車
・交換サイクル:交換不要(シビアコンディション:7.5万キロ)
・指定オイル:75W
トランスファーオイル
2駆と4駆を切り替える副変速機の潤滑を行うオイルです。トランスファーの機構を持っているジムニーゆえのオイル交換ポイントです。トランスファーレバー下の車体中央から抜き取り・補充します。
◎交換サイクル:交換不要(シビアコンディション:7.5万キロ)
◎指定オイル:75W
デフオイル
左右輪の回転差を調整する差動装置の潤滑を行うオイルです。ジムニーには前後両方にデフ(正しくはデファレンシャル)があり、それぞれにデフオイルが必要です。左右輪の中心にあるホーシングの玉部分にデフが内蔵されていて、抜き取り・補充も玉部分から行います。
◎交換サイクル:4万キロ(シビアコンディション:2万キロ)
◎指定オイル:75W-85
ブレーキフルード
ブレーキのピストンやシリンダーの潤滑を行うオイルです。油脂類の中でもあまりオイルとして認識されていない部類かもしれません。ボンネットを開けてすぐのところに補充できるタンクはありますが、交換の際にはブレーキライン内にエアが噛むことは厳禁で(制動力が低下してしまうため)、もしエアが噛んでしまった場合「エア抜き」と呼ばれる作業が必要となってきます。また、ブレーキフルードは塗装面への攻撃性が強いためボディに付着しないよう取り扱いに注意が必要です。
◎交換サイクル:2年
◎指定オイル:DOT-3
※交換サイクル・指定オイルはジムニーJB64の取扱説明書およびメンテナンスノートを参照しています。
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