新型ジムニーJB64が発売され現在も大きな注目を浴びています。今までジムニーを知らない層にまで知られるようになって、より一層人気を獲得しています。
そして、これからジムニーJB64を購入する(または購入した)ユーザーの関心事といえばカスタムや改造が挙がってくるのではないでしょうか?
先代のジムニーJB23と似ている構造ながらも、新型ジムニーJB64になってからあらゆる部分に変更が加えられていてカスタムに対するノウハウもこれから徐々に蓄積されていく過程です。
そんな発展途上の新型ジムニーJB64ではありますが、カスタムする前に知っておきたいことや、改造する前に頭に入れておいたほうが良い注意点などをまとめました。
2020年2月 <ノーマル車高で履けるタイヤサイズ>更新
2020年4月 <2インチ以上のリフトアップ><直前側方視界基準>追加
2020年11月 一部更新
2021年3月 <シートカバー購入前はグレード確認>追加
クロスメンバーにプロペラシャフトが干渉
現行のジムニーJB64では2インチ以上のリフトアップ、またはロングタイプのショックアブソーバーに交換する場合に注意が必要です。
ジムニーJB64にモデルチェンジされてからフレームの剛性を上げるために配置された「追加クロスメンバー」とフロントのプロペラシャフトが干渉する可能性があるからです。
問題の干渉するクロスメンバーは画像左側の黄色く塗られている「追加クロスメンバー」の部分です。フロントのプロペラシャフトがこの部分にレイアウトされていて、2インチ以上のリフトアップやロングタイプのショックアブソーバーでオフロード走行をすると干渉してしまいます。
追加クロスメンバーは脱着が可能
じゃあジムニーJB64で2インチアップ以上のリフトアップをしたいときはどうすればいいの?と考えている方に朗報です。実は追加クロスメンバーは脱着が出来る構造になっています。
つまり、追加クロスメンバーを取り外すことで2インチアップ以上のリフトアップは可能です。これはコストを極力抑えたい方、フレーム剛性を気にしない方にとって非常に有効な方法です。
しかし、「プロペラシャフトの干渉対策はしっかり行いたいが、フレームに関わる部品を外すのには抵抗がある」という方もいるでしょう。そのような方のために、対策品が販売されています。
黄色で塗られている部分が対策品のエスケープメンバーです。
プロペラシャフトが通る部分に工夫が施されており、2インチアップ以上のリフトアップでも干渉しないように作られていて、フレーム剛性も確保することができます。
このようなクロスメンバーを丸ごと交換するタイプもあれば、純正クロスメンバーをそのまま使用するブラケットタイプ(マスターピース製)もあります。
2インチアップ以上は補正箇所多し
クロスメンバーの対策はジムニーJB64/74を2インチアップ以上する時の代表的なポイントですが、他にも気をつけてほしいポイントがあります。
リフトアップを行うとノーマルのバランスが崩れてしまうため各部の補正をしなければ、快適・安全にジムニーを楽しむことができません。2インチアップ以上を行う時に補正してほしいポイントは以下になります。
- ショックアブソーバー
- ロングタイプに交換、または延長ブラケットの装着
- ブレーキホース
- ロングタイプに交換
- リーディングアーム
- 補正ブッシュ組換え、または補正リーディングアームに交換
- ラテラルロッド
- 調整式に交換、及び取付角度の補正
- スタビライザー
- 取り付け位置の補正
- プロペラシャフト
- 延長スペーサーを追加
- エアロッキングハブ用バキュームホース&ABS配線
- ロングタイプまたは補正ステーが必要
リフトアップの目的や使用用途によってすべての補正が必要になるわけではありませんが、これらの補正を行うことでジムニーを快適に、安全に楽しむことができます。
詳しく知りたい方は足回りの構造がほとんど変わらないJB23の補正パーツの記事を参考にしてみて下さい。
ジムニーJB23のリフトアップで必要となる補正パーツの役割とは
1インチアップでも補正部品が必要
ジムニーJB64を手軽にリフトアップしたいと考えるなら、1インチ(約25mm)程度のリフトアップが理想的です。これなら大きな改造を必要とせず、手軽に挑戦できますよね。しかし、単にコイルスプリングを交換するだけでは不十分です。
なぜなら、ジムニーJB64のリア純正ショックアブソーバーは長さが短いため、取付は可能でも伸び側のストロークが不足し、結果的に乗り心地が悪化してしまうからです。
この問題への対策として、低コストで済ませたい場合はショック延長ブラケットの装着が有効です。一方、予算に余裕がある場合はロングタイプのショックアブソーバーへの交換が推奨されます。
さらに、ショックアブソーバーの長さを適正化すると、1インチのリフトアップでも左リアのブレーキホースの長さが不足します。そのため、ロングブレーキホースへの交換も必要となります。
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LEDヘッドライト装着車の注意点
ジムニーJB64 XCグレードに採用されている純正LEDヘッドライトには光軸のオートレベリング機構が備わっていて、この機構がリフトアップした際に光軸を上向きにさせてしまいます。対向車に迷惑がかかるだけでなく車検時の光軸テストにパスしない可能性もあります。
この上向きになってしまう光軸を補正してくれるパーツは既に多くのショップから発売されていますので、LEDヘッドライト装着車でリフトアップを考えているユーザーには必須パーツです。
リフトアップするとセーフティサポートに不具合?
上級グレードのXCなどに装備されているジムニーJB64のセーフティサポート機能はブレーキサポート・誤発進抑制機能・ハイビームアシストなど多くの安全機能をコントロールしています。
下の画像のようにフロントウインドウ上部に単眼カメラとレーザーレーダーのユニットが配置されています。
このセーフティサポート装着車のジムニーJB64はリフトアップまたはローダウンによる車高変化によって作動条件が変わる恐れがあります。
現在のところ誤作動や不具合が起こった事例は聞いたことがありませんが、気になる方はキチンとした方法で作動条件を適正化する対策ができます。
エーミング作業で対策
リフトアップによる車高変化に伴い、セーフティサポートの作動条件が変化する場合がありますが、その対策として「エーミング」という作業を行うことができます。
エーミングは専用機器を使って単眼カメラやレーザーレーダーの調整を行うため、個人レベルでできる作業ではありません。この作業はスズキディーラーや設備の整った整備工場でのみ対応しています。
ただし、ディーラーによってはリフトアップ車の作業を受け付けてくれない場合もあるため、事前に確認が必要です。
直前側方視界基準に注意
車検では運転席からの視界(直前側方視界)も検査対象とされ、車両周辺に死角が多い車両は検査に通ることができません。ジムニーJB64/74の場合だと直前側方視界基準に適合しない可能性が高くなる目安は2インチ以上のリフトアップです。
もし直前側方視界基準に適合しない場合には対策を行う必要があります。ミラーやカメラ、またはドライブレコーダーで代用が出来る場合もあります。
注意点についてはタイヤサイズ・個体差、そして検査員の判断次第で基準適合の可否が変わることも覚えておいて下さい。詳しくはこちらに書いています。
リフトアップしたジムニーは注意!車検で問われる直前側方視界基準とは
足回りは先代のJB23パーツが流用可能
ジムニーJB64は先代のJB23の足回りと構造がほとんど同じなのでサスペンション関連は流用できるパーツが多くあります。
少し注意点はありますが、以下の部品が流用できるようになってます。
- コイルスプリング
- 装着は可能だがバネレート・自由長が異なるため組み合わせが必要
- ショックアブソーバー
- JB23用の方が全長が長め。リアについてはスペーサーが必要
- リーディング&トレーリングアーム
- アームブッシュも流用可能
- リア用ラテラルロッド
- フロント用は取付穴径が異なるため流用不可
ジムニーJB23のパーツが手元に余っているユーザーや、JB64専用パーツを装着したいけどまだ納得できるパーツが見つからない方には、JB23用パーツを流用して組み合わせるという方法も可能です。
ヘッドランプウォッシャー付きのバンパー交換は…
XCグレードに装備されるジムニーJB64のLEDヘッドランプにはフロントバンパーにヘッドランプウォッシャーが装備されています。
発熱量の少ないLEDはヘッドライトに着雪した際に雪を溶かすことが出来ないので、ヘッドランプウォッシャーによって着雪を防いでいます。
フロントバンパー交換時にはこのヘッドランプウォッシャーを装着できる社外品に交換するか、ウォッシャーレス
にする必要があります。
ステアリングジャダー対策は不要かも
先代のジムニーJB23で頻発していたステアリングジャダーをスズキ側も問題視したのか、ついにジムニーJB64ではステアリングダンパーが標準装備されることになりました。
先代ではジャダーストップキットなる専用パーツも販売されるほどジャダー対策のアフターパーツが考えられてきましたが、ステアリングダンパーの標準装備によってジャダーが発生する可能性はグッと低くなりました。
もしJB64でジャダーが発生した場合は「ジムニーでジャダー・シミーが発生した時の原因と対策まとめ」を参考にしてみて下さい。
トラクションデバイスが標準装備
新型ジムニーJB64が発表されたときに、オフロード好きのジムニー乗りにとっては結構大きなニュースだったかもしれないですがトラクションデバイスが標準装備されました。
その名も「ブレーキLSDトラクションコントロール」というデバイスで、空転を察知するとそのタイヤにブレーキを掛けて、もう一方のタイヤに駆動を伝える仕組みになっています。
よっぽど険しい道にでも行かない限りはこの「ブレーキLSDトラクションコントロール」で走破できそうですが、本格的なクロカン・トライアルで使用する場合にはアフターパーツの装着が必要かもしれません。
アフターパーツの参考にはジムニーに最適なトラクションデバイスは?デフロック?LSD?をチェックしてみてください。
シートカバー購入前はグレード確認
内装カスタムの手始めにシートカバーの装着を考えている人は多いと思います。
XL、XCグレードは特に問題ありませんが、XGグレードの方は要注意です。後席の背もたれが一体式でヘッドレストも付いていないので、ジムニーJB64用のシートカバーであってもXGグレードのみ適合しない場合があります。
購入前には適合する製品なのか、よく確認しておきましょう。
エンジンがK6A⇒R06Aに型式変更
ジムニーJB64になりエンジンがK6AからR06Aに型式変更されたことで各部品のレイアウトや使用されている材質などがごっそり変わっています。
まず外観から見てわかるところが今までインタークーラーが鎮座していたエンジン上部にはエアクリーナーが配置されるなど(インタークーラーはグリル前に移設)、これまでのK6A・F6Aエンジンのレイアウトとは大きく変わっています。
20年以上に渡って搭載されていたK6Aエンジンのチューニングノウハウが通用しなくなるので、まだR06Aのエンジンチューニングにおいては十分なパーツが揃うまでもう少し時間がかかりそうです。
ノーマル車高で履けるタイヤサイズ
ジムニーの特徴的なカスタムのひとつとして、車を大きく見せるために純正よりも大きいタイヤサイズに履き替えることが定番となっています。
車高を上げればタイヤの選択肢は広がりますが足回りにも手を加えなければいけないため、ノーマル車高で履けるタイヤサイズが知りたいユーザーも多いのではないでしょうか?
ジムニーJB64がノーマル車高で装着できるタイヤサイズは以下のようになっています。
- 175/80R16【純正サイズ】
- 外径685mm x 幅180mm(約)
- 185/85R16【大径タイプ】
- 外径720mm x 幅185mm(約)
- 215/65R16【大径タイプ】
- 外径685mm x 幅220mm(約)
- 195R16C【大径タイプ】
- 外径718mm x 幅195mm(約)
※干渉の可能性あり
- 外径718mm x 幅195mm(約)
- 215/70R16【幅広タイプ】
- 外径710mm x 幅220mm(約)
※干渉の可能性あり
- 外径710mm x 幅220mm(約)
共にノーマル車高の限界サイズなので、本格的なオフロードを走るならリフトアップがおすすめです。
2インチアップした場合のタイヤサイズを知りたいなら、レッツゴー4WDさんのジムニー&ジムニーシエラ、人気の2~2.5インチアップ!タイヤ選びのススメ!を見て下さい。画像付きでとてもわかりやすく紹介してくれてます。
まとめ
今回は初めてジムニーJB64を所有するユーザーのために、カスタムする前に知っておいてもらいたい注意点などを紹介させていただきました。
カスタムの仕方によってはまだまだ説明の足りない部分はありますが、ジムニーカスタムの醍醐味は「おもちゃ感覚でイジれること」です。
4×4エスポワールでは総合的なジムニーカスタムをサポートいたします!どんな風にジムニーをカスタムすればいいかわからないならお気軽にご相談下さい!
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