ジムニーJB23のカスタムで特徴的なのは何といっても車高を上げるリフトアップですが、キチンとした補正パーツの装着が必要となります。
でも、ジムニーJB23のリフトアップで必要となる、補正パーツ自体の役割がわからないまま装着するのは、ユーザーとしては不安が残りますよね。
そこで今回のテーマは「ジムニーJB23の補正パーツの役割」です。それぞれの補正パーツをしっかりと理解してもらって、安心安全にリフトアップカスタムを楽しむことが出来るように解説していきたいと思います。
★ジムニーJB64/74についても同様のサスペンション機構なので、ぜひ参考にしてみてください。
目次 |
ブレーキの補正パーツ
まず最初に紹介するジムニーJB23のリフトアップに伴う補正パーツはブレーキです。
リフトアップによってブレーキ性能の低下はありませんが、ジムニーJB23のリフトアップでは車軸(アクスル)部分とフレームの位置が離れてしまうために補正パーツが必要となります。
ロングブレーキホース
ジムニーJB23をリフトアップをした場合、車軸(アクスル)部分とフレームの位置が離れてしまうためブレーキホースの長さが足りなくなってしまいます。
そこで必要となるのがロングタイプのブレーキホースです。ブレーキに関わる部分なので、ケチらずに優先して交換してほしい補正パーツなので第一に紹介しました。
特にサスペンションを大きくストロークさせる場面の多いオフロード・クロカン走行では、ノーマル長のブレーキホースのままだと突っ張ってしまい危険なので必ずロングブレーキホースに交換して下さい。
ショックアブソーバーの補正パーツ
続いて紹介するのはショックアブソーバーの補正パーツです。
リフトアップ量によっては補正無しでもショックアブソーバーの取付自体はできますが、ストローク不足によって伸び切ってしまい乗り心地の悪化を招きます。
また、起伏の大きいオフロードではストローク不足によってタイヤが接地することができないので、空転してスタックを引き起こします。以上のことからストロークをしっかり使い切れるショックアブソーバーは必要不可欠です。
ロングショックアブソーバー
ジムニーのリフトアップにおいてロングショックアブソーバーはコイルスプリングと肩を並べるぐらい重要なパーツです。
リフトアップ量に対して適切なサスストロークを確保するための補正パーツとしての役割ももちろんありますが、サスペンションのセッティングをするための役割も持っています。
同じコイルスプリングでもどんなロングショックアブソーバーを選ぶかによって全く違う印象の足回りに変わります。
4×4エスポワールではリーズナブルな自社オリジナルショック(下画像)の他に、自分好みのセッティングが探せる減衰力調整タイプをラインナップしています。
ショック延長ブラケット・ショック延長ボルト
コスト重視でなるべく安くショックアブソーバーの長さを補正したいときに使用するパーツです。
純正にショックアブソーバーにブラケット及びボルトを継ぎ足すことによって長さを補います。
純正ショックアブソーバーのまま低コストにリフトアップをしたいユーザーにとっては必須となるパーツです。
デメリットとしては、純正ショックアブソーバーのストローク長が伸びるわけではないので、オフロード走行も視野に入れているならロングショックアブソーバーへの交換をおすすめします。
キャスター角の補正パーツ
まず初めにキャスター角とはホイールアライメントの役割の中のひとつで、主に直進性を保つためのアライメントとなります。
ジムニーJB23は車高を上げるほどキャスター角のバランスが崩れ、直進性が失われてしまい走行性能に大きく影響を及ぼす部分となります。
さらにキャスター角について詳しく知りたい方は 「キャスター角の効果 – Urban Cafeteria」さんで詳しく解説していますのでご覧ください。
キャスターブッシュ・偏芯ブッシュ
純正リーディングアームに圧入されているブッシュをキャスターブッシュ・偏芯ブッシュに打ち替えてキャスター角を補正するパーツです。
純正ではブッシュの中心に穴が開いていますが、キャスター・偏芯ブッシュではあえて穴をずらす(偏芯)ことでキャスター角の補正を行います。
ジムニーJB23のキャスター角補正パーツの中でも低コストにキャスター角の補正ができます。
ネックとなるのはブッシュの打ち替えに油圧プレス機や圧入治具が必要となる点です。
リーディングアームダウンブラケット
リーディングアームダウンブラケットは純正リーディングアームをそのまま使用し、フレーム側取付位置をダウンさせてキャスター角を補正します。
交換も油圧プレスの必要がなく作業できることもメリットのひとつとして挙げられます。
デメリットはリーディングアームの取付位置がダウンされた分、腹下の地上高が低くなりオフロード走行でヒットする確率が高くなってしまう点です。
補正済み強化リーディングアーム
キャスター角が補正されたリーディングアームに丸ごと交換する方法です。
他の補正方法と比べると費用は掛かりますが、純正アームよりも高強度なのでハード系、ハイスピード系のオフロード走行をするなら手に入れる価値は十分あります。
なぜなら純正リーディングアームは激しく走るには強度が足りず、曲がりや折れが発生してしまうからです。最悪の場合、自走が困難となる可能性もあるためトラブル防止の意味でも補正済み強化リーディングアームを早い段階で導入しておくことは決して悪いことではありません。
また、オフロード走行をせずとも足回りから見える赤いアームはドレスアップ効果も高く車体のアクセントにもなってくれます。
ラテラルロッド関連の補正パーツ
ジムニーJB23のラテラルロッドはフレームと車軸(アクスル)の左右の位置決めをする重要なパーツです。
リフトアップによってラテラルロッドは長さが足りなくなり車軸の左右位置にズレが起こり、取付角度も変化してしまうので乗り心地にも悪影響を及ぼします。
リフトアップ量が大きくなるほどズレが大きくなり、タイヤがボディからはみ出してしまう場合もあるため見た目も良くありません。以上のことからラテラルロッド関連の補正パーツはジムニーJB23のリフトアップには欠かせないパーツとなっています。
調整式ラテラルロッド
ジムニーJB23をリフトアップした時にラテラルロッドの長さが足りなくなってしまい、車軸(アクスル)のズレを補正したい場合には長さが調整できる調整式ラテラルロッドを使用します。
車体に取り付けたままでも長さが調整できる構造になっていて、ミリ単位の微妙なズレも補正することが可能です。
調整式ラテラルロッドを購入する時に気にしてほしいポイントが両端のブッシュです。
主にゴム・ウレタン・ピロボールと3種類のブッシュがあり、それぞれ特性が違いますが粗悪なものを装着すればステアリングジャダーやシミー発生の原因となるので注意しておきましょう。
リアラテラルアップ補正ブラケット
ラテラルロッドの取付角度を補正するためのブラケットです。
ジムニーJB23はノーマル車高ではラテラルロッドの取付角度は水平状態ですが、リフトアップと同時に取付角度が立ってしまい乗り心地の悪化に繋がります。
そこでリアのホーシング側の取付位置をこのブラケットで上方に移動することで水平に近い取付角度に補正します。
サスペンションの動きが妨げられないので軽快な動きになり、オンロード・オフロード共に安定した走行ができるようになります。
リアラテラルロッドダウンブラケット
先ほどのリアラテラルアップ補正ブラケットと同じくラテラルロッドの取付角度が水平に近くなるように補正します。
こちらはラテラルロッドのフレーム側取付位置をダウンさせることによって補正します。
ダウンブラケットの特徴は取付角度の補正以外にも、ショックアブソーバーとコイルとの干渉を防ぐ役割もあります。
リフトアップ量が4インチ~5インチ以上となる場合にはリアラテラルアップ補正ブラケットと併用すると効果的です。
プロペラシャフト関連の補正パーツ
乗り心地に直接影響は与えませんがプロペラシャフトは前後輪に駆動を伝えるための肝心なパーツです。リフトアップによって長さが足りなくなったり取付角度が変わってしまう部分です。
プロペラシャフトはリフトアップ量が高くなるほど正しい補正をやっておかないと大きなトラブルが発生する可能性があります。
プロペラシャフトスペーサー
プロペラシャフトの補正をしないままジムニーのリフトアップを行うと、走る場所によっては長さ不足でプロペラシャフトが抜けてしまい走行不能に陥る恐れがあります。
そのためにプロペラシャフトスペーサーを挟むことでプロペラシャフトの長さ不足を補います。スペーサーについてはリフト量が大きくなるにつれ分厚くする必要があります。
目安としては3インチアップ以上のリフトアップを行うなら必要性は高くなると考えて下さい。
もっと詳しくプロペラシャフトスペーサーに関して知りたい方は ジムニーにプロペラシャフトスペーサーを装着する必要性 をチェック。
トランスファーアップマウント
プロペラシャフトの角度補正をトランスファーの取付角度の変更によって補正を行うパーツです。
ジムニーJB23では3箇所あるトランスファーマウントの内、右前部分1箇所に装着することでトランスファーの取付角度を変更します。
4~5インチアップ以上では必須パーツですが、2~3インチ程度のリフトアップでもプロペラシャフトへの負荷が軽減されることでペラ鳴りの改善が望めます。
トランスファーアップマウントのその他の使い方としては、3箇所すべてにトランスファーアップマウントを装着することでクロカン走行時に障害物からのヒットを回避する目的としても使用できます。
スタビライザーの補正パーツ
峠道のようなクネクネとした道でロールを抑えるためのパーツがスタビライザーです。スタビライザーもリフトアップによって取付角度が変わってしまうポイントです。
リフトアップでは重心が高くなってロールが起こりやすくなるためしっかりスタビライザーを補正しておけば安心感が違います。
スタビライザーはオンロードユースでは必須パーツではありますが、サスのストロークが求められるオフロードならスタビライザーを外してストロークを優先する選択肢もあります。
スタビライザー延長ブロック
ジムニーJB23を2~3インチ以上リフトアップするとスタビライザーの取付角度が変わってしまい、本来の性能を発揮できません。またスタビライザー本体の装着も困難となります。
そこでスタビライザー延長ブロックを装着しスタビライザーの取付角度を補正してあげることで本来の性能を取り戻します。
まとめ
このようにジムニーJB23(JB64も同じく)には多くの補正パーツが存在します。
今まで疑問だった補正パーツの役割も今回紹介した内容を参考にすれば、これからのジムニーカスタムも進めやすくなると思います。
4×4エスポワールでは自社オリジナルのジムニー用リフトアップパーツを取り扱っておりますので豊富な知識があります。「補正パーツを抑えてリフトアップしたい」といったご要望に応じたリフトアップカスタムもご提案できます。お気軽にご相談下さい!
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