ジムニーのオフロード走破性を上げたいときに、まず思いつくのはリフトアップやマッドタイヤに交換することが第一だと思います。
ただ4×4トライアルやハードクロカンでは様々なデバイスが必要となります。その中のひとつが「カッティングブレーキ」です。
聞き馴染みのない言葉だとは思いますが、ジムニーの走破性アップに大きく貢献してくれる「カッティングブレーキ」についてどんなものなのか詳しく紹介していきたいと思います!
カッティングブレーキとは
主にフロント側に取り付けられ、左右どちらかのタイヤ1輪に任意でブレーキがかけられるようにするパーツです。呼び方は「ステアリングブレーキ」や「ニール」、「ラインロック」とも呼ばれたりします。
4×4トライアルでは古くからあるポピュラーなデバイスで、多用途に使えることから未だに競技車両の装着率は高いです。装着の有無によって走破性(走行ライン)が変わってしまうため装着を禁止する競技会もあるほどです。
クロカン・山遊び系のジムニーに装着されていることもあり、走破性アップに大きく貢献するデバイスです。
カッティングブレーキの種類
カッティングブレーキにはレバー式と電気式の2種類があります。
使いやすさや、コスト面、取り付け難度を考えるとどちらも一長一短があり、どんなフィールドを走っているのかも重要な選択基準となります。
レバー式カッティングブレーキ
取り付けするにはレバー自体を固定するためのしっかりとしたブラケットやスペースが必要になり、ブレーキラインの配管を車内に引き込む必要もあるため取り付け難度は高いです。
しかし操作性が優れているため4×4トライアルなど競技マシンのほとんどはレバー式を採用しています。微妙な力加減もできるところや瞬時にブレーキが掛けられるのはレバー式の利点です。
パーツ単体の価格は30,000円前後で電気式に比べると少し高めで、レバーにもシングルレバーとツインレバーの2種類があります。
電気式カッティングブレーキ
取り付けはブレーキラインに加工が必要ですが、レバー式に比べると簡単です。車内にスイッチを配線すれば良いのでスペースも取りません。
パーツ単体の価格は約20,000円でレバー式よりも安価なため、コストを抑えたい方におすすめです。
操作は「ブレーキを踏んでスイッチを押す」という手順が必要で、レバー式に比べて操作性が劣ります。直感的に操作することが難しく、レバー式のような微妙なブレーキの調整もできません。
反面、電気式はブレーキを解除するまで最初に設定した制動力を掛け続けることができるため、アクセルワークやハンドル操作に集中できるメリットがあります。
画像:ひよっこじむにん
実用テクニック
カッティングブレーキには大きく分けて2通りのテクニックに分けることができます。慣れるまでは大変かもしれませんが、うまく使い分けることができればかなりの走破性アップを見込むことができます。
アクセルターン・テールスライド
カッティングブレーキを使った代表的なテクニックのひとつがアクセルターンです。
主に使用されるシーンが4×4トライアルでハンドル操作では曲がりきれないセクションで使用されます。
曲がりたい方向のタイヤ1輪にだけブレーキを効かせて急激にパワーを掛けると、コンパスのように鋭いアクセルターンが可能となります。
その他、細かなテクニックを挙げるなら転倒しそうなキャンバー地形などでテールをスライドさせて姿勢変化に活用されることもあります。
▼アクセルターンするジムニー(動画はカッティングブレーキ無し)
疑似トラクションデバイス
空転しているタイヤだけにブレーキを効かせて接地しているタイヤに駆動を分散する使い方です(現行JB64/74ジムニーのブレーキLSDトラクションコントロールも同じ原理)。
クロカンやロック走行ならこちらのテクニックを使う場面が多くなると思います。
フロントにトラクションデバイスを入れたいけど高い…と悩んでいる方には疑似トラクションデバイスとして活用できるカッティングブレーキは選択肢に入れてもいいかもしれません。
▼空転しているタイヤにブレーキを効かせて難所を抜けるジムニー
デメリット
ジムニーにカッティングブレーキを装着するにあたってのデメリットも知っておいてもらいたいと思います。
有用なデバイスであることには違いありませんが、そこまで普及しているかといわれるとそうでもありません。
デメリットを知れば、なぜカッティングブレーキを導入しているジムニーが少ないのかがわかると思います。
取り付けが難しい
カッティングブレーキが普及しづらい要因の一つに、電気式・レバー式のどちらも取り付け作業の難易度が高いことが挙げられます。
特にレバー式のカッティングブレーキはブレーキ配管や固定金具を自分で揃え、加工作業も必要なため業者に依頼しても断られる可能性が高いです。
DIYで取り付けられる自信がなければ業者探しから始めたほうが順番としては正しいかもしれません。
ドライブシャフトへの負担
カッティングブレーキの使い方にもよりますがドライブシャフトに負担がかかることは間違いありません。最悪の場合、ドライブシャフトが折れて走行不能に陥る可能性もあります。
特に注意しなければいけないのは空転しているタイヤに急激にブレーキを掛ける操作です。カッティングブレーキを使用する際は慎重に操作することが必要です。
エアロッカーなどのトラクションデバイスに比べるとドライブシャフトへの負担は穏やかといえますが、ドライブシャフトの強化も検討しておく必要があるでしょう。
競技会によっては使用が禁止されることも
4×4トライアルではカッティングブレーキの装着の有無によって走破性(走行ライン)が変わってしまいます。
それだけカッティングブレーキは有効なデバイスであることがわかりますが、競技としての公平性を保つためとエントリー車両の敷居を低くするために装着を禁止にしたり、上級者クラスのみ使用を許可する競技会もあります。
エントリーしたい競技会があるならレギュレーションをよく確認し、カッティングブレーキの使用可否について事前に調べておくことが必要です
まとめ
ジムニーの難所デバイス「カッティングブレーキ」について紹介してきました。アクセルターンやトラクションデバイス的な使い方もできる万能デバイスです。
種類についてもレバー式と電気式の2種類のカッティングブレーキがあり、それぞれにメリット・デメリットがあることがわかったと思います。
4×4エスポワールでは4×4トライアルに継続的に参戦しており、オフロードに特化したダウンギアやトランクションデバイスなどのカスタムにも精通しております。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
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