ジムニーJB64/74を社外マフラーに交換する前に知っておくべきこと

ジムニーJB64/74を社外マフラーに交換する前に知っておくべきこと

ジムニーカスタムの中でも社外マフラーへの交換は定番といってもいいぐらい人気メニューです。

今回はマフラー交換に関する疑問点を解決し、そのメリットとデメリットを理解していただくことを目指します。避けては通れない車検のことについても解説します。

さらに、マフラー交換に必要な取り付け工賃や、DIYのポイントについても触れていきます。これからジムニーのマフラー交換を検討する際の参考にしてみてください。

目次

●マフラーを交換すると起こる良いこと

音質&音量の変化を楽しめる

見た目のカスタム効果

パフォーマンス向上と燃費の改善

軽量化

●マフラーの選び方

目的を明確にする

専用品と共通品が存在する

出口位置の高さで見た目が変わる ※社外リアバンパー装着車

社外バンパー用であっても純正バンパーに装着できる場合がある

リアピースのみとセンター・リアパイプが存在

タイプ別で比較する

●社外マフラーの車検について

社外マフラーが車検に適合する基準とは?

車検対応マフラーの選び方

車検に適合しないマフラーを選ぶリスク

●気になる社外マフラーの音量

純正マフラーとの音量の違い

●マフラーは自分で交換できる?

取り付け工賃の相場

●ジムニーのマフラー交換を検討するためのポイント


マフラーを交換すると起こる良いこと

まだジムニーのマフラーを交換するかどうか悩んでいる方のために、社外マフラーを装着することによるメリットを知ってもらいたいと思います。
改めて社外マフラーのメリットを確認することで、自分がジムニーのカスタムに何を求めているのかが見えてくるかもしれません。

音質&音量の変化を楽しめる

ジムニーのマフラーを交換したいと思っている多くの人は音質と音量の変化を求めているのではないでしょうか?

クルマ好きにとってマフラーの音は運転中のテンションを上げる重要な要素です。静か過ぎてエンジンがかかっているのかわからないよりも、低音で深みのあるスポーティなサウンドのほうが断然ドライブは楽しくなります。

ここでひとつ伝えておきたいのが「ジムニーとシエラで排気音が違うこと」です。純正マフラーだと両車にそこまで音の違いは感じられませんが、社外マフラーにするとすぐに聞き分けられるレベルで音が違います。

この違いが生まれる理由は排気量よりも過給器の有無です。ターボ車のJB64はエンジンの構造上、排気ガスをタービンに通過させた時に消音効果が生まれNA車のJB74に比べて静かです。また、音質も過給器の有無によって異なり、一般的にNA車の方が良い音だと言われています。

見た目のカスタム効果

ジムニーの純正マフラーはリアバンパーから出口が見えるものの下向きに排気されており、マフラーとしての存在感はゼロに等しいです。

社外マフラーは出口の位置や本数、太さなどによって見た目の印象を変えることができ、大きなカスタム要素となります。例えば、出口の本数が2本出しや4本出しのマフラーは高級感を演出することができ、ラグジュアリーなカスタムに向いています。

そしてジムニーの場合、リアバンパーの変更によって選択するマフラーが変わることも忘れてはいけません。ショートバンパーに純正バンパー用のマフラーを装着すると、マフラーの出口とバンパーが離れてしまい一体感のない見た目となってしまいます。

また、マフラーの材質のほとんどは美観性と耐腐食性を高めるためにステンレス製が採用されています。チタン製は軽量ですが高価な部分がネックです。スチール製は安価な反面、錆びやすい点がデメリットです。

JB64/JB74 DUSSEL EX Sideface【ロッソモデロ】

画像:ロッソモデロ(Yahooショッピング)

パフォーマンス向上と燃費の改善

ジムニーの社外マフラーは音質を含むドレスアップ要素に比重が置かれることが多いですが、エンジンの排気効率向上を目的に交換する場合もあります。

わかりやすい例がレーシングカーでしょう。レーシングカーはわざと音をうるさくしているのではなく、排気効率を求めた結果としてあの音が出ています。

対して純正マフラーは排気効率よりも消音性能と環境性能が重視されており、排気抵抗となるサイレンサーや触媒を通過することで音量を抑えています。そこで排気効率の良い社外マフラーを選ぶことでパワーアップ効果が見込めます。

また、社外マフラーによって排気効率を高めると同時に、吸気系統の効率化(エアクリーナー交換など)によって、さらにパワーアップが期待できます。

Linksマフラー ジムニー JB64用【ショウワガレージ】
ショウワガレージ製Linksマフラーはトルクは0.5Kgm、パワーは6.2psアップする

メインパイプ径でわかるマフラーの特性

マフラー選びを進めていく上でひとつの判断基準となるのがメインパイプ径です。

メインパイプはマフラーを構成する中でもっとも長く排気が通る区間のため、マフラーの特性にも関係してきます。

判断基準は「太い」or「細い」です。メインパイプが太ければ排気効率が良くなるので、一見メリットしかないように思えますが、排気の抜けが良すぎるとトルクが薄れてしまい、実用域の低中回転がスカスカになってしまいます。

一方、メインパイプが細いと排気効率が悪く高回転向きではなくなりますが、排気の抜けが抑えられるので低中回転のトルクを確保することができます。

以上のことを踏まえたうえでジムニー用の社外マフラーのメインパイプ径を見てみると42.7Φと50Φの2種類が主流となっており、純正マフラーのメインパイプ径35Φに比べて排気効率を適度に求めたマフラー特性になっていることがわかります。

軽量化

高レベルなスペックをジムニー用の社外マフラーに求めるならマフラーの軽量化も視野に入れておいても良いかもしれません。

ジムニー用の社外マフラーで軽量化を求める場合の絶対条件はチタン製であることです。チタンの重量はステンレスの約半分の重さしかありません。

その分、材料費はステンレスの約10倍高いため、社外マフラーはステンレス製が大半を占めています。

参考としてとても比較しやすいのがチタン製とステンレス製の両方で作られているアピオ製のヨシムラマフラー サイクロンシリーズです。下の比較表を見てもらうとわかるようにステンレス製の重量は5.9kgに対して、チタン製マフラーは3.9kgと圧倒的に軽量です。

  重量 価格
チタンサイクロン(JB64用) 3.9kg 242,000円
ステンレスサイクロン(JB64用) 5.9kg 165,000円
純正マフラー 6.0kg

マフラーの選び方

ジムニーの社外マフラーでは、選び方を間違えると装着ができないことにもなりかねない場合があります。

本格的にジムニー用のマフラー選びを進めていくにあたって以下の項目はひと通り目を通しておいてもらいたい内容です。

目的を明確にする

まず最初に意識しておくポイントです。社外マフラー選びを進めやすくするには目的を明確にすることが近道です。代表される3つの目的は「パワーアップ」「マフラーサウンド」「ドレスアップ」の3つです。

「パワーアップ」を目的にするなら排気効率の向上を狙った製品を探し、スペックを比較すると良いでしょう。音量アップやスポーティさを強調したい場合には「マフラーサウンド」を目的とし、Youtubeなどで装着車両のサウンドを探してみましょう。マフラー出口にアクセントを求めるなら「ドレスアップ」を目的とします。このようにジムニーのマフラー選びでは目的が明確になればマフラー選びが進めやすくなります。

専用品と共通品が存在する

660ccターボエンジンを搭載したジムニーJB64と1500cc自然吸気エンジンを搭載したシエラJB74は、排気量や過給器の有無が異なるため、本来はそれぞれ専用品のマフラーが必要です。しかし、コストの関係やメーカーの開発方針によっては、両車共通のマフラーも存在します。

性能面を重視して社外マフラーに交換するなら専用品のマフラーが理想です。ただ、見た目が好みだったり、音質が気に入っている場合は両車共通品を選ぶのも一つの選択肢です。

出口位置の高さで見た目が変わる ※社外リアバンパー装着車

ジムニー用の社外マフラー選びに大きく関係するのがリアバンパーです。

ジムニーカスタムでは車高を高く見せるためにリアバンパーをスチール製やFRP製のコンパクトな社外製に変更することが定番の手法となっています。

その際、気になるのがマフラーの出口位置です。マフラーの出口位置として理想的なのは、リアバンパーのすぐ下にレイアウトされていることです(下画像)。こうすることで車体との一体感が出て、スッキリと見えます。

社外リアバンパーのすぐ下にマフラー出口をレイアウトしたジムニーシエラJB74

 

一方、社外リアバンパーから離れた位置にマフラーの出口がレイアウトされると違和感を感じるリアビューとなってしまいます(下画像)。

このことを踏まえ、社外リアバンパー装着車のマフラー選びの際には、出口位置の高さをよく確認することが必要です。

社外リアバンパーに純正バンパー用マフラーを装着したジムニーJB64

社外バンパー用であっても純正バンパーに装着できる場合がある

基本的には社外バンパー用のマフラーは出口がバンパーに当たるため、純正バンパーには装着できません。しかし、一部の社外マフラーには純正バンパーの一部をカットすることを前提に装着できる社外バンパー用マフラーも存在します(下画像)。

リア周りをスッキリ見せられる効果だけでなく、将来的に社外リアバンパーに交換する予定で優先的にマフラーを交換したい場合に最適です。

コンペマフラーR【オフロードサービスタニグチ】
純正バンパーの一部をカットすることで装着ができるマフラー(コンペマフラーR【オフロードサービスタニグチ】)

画像:オフロードサービスタニグチ

リアピースのみとセンター・リアパイプが存在

ジムニーJB64/JB74の社外マフラーの構成はサイレンサー部分のリアピースのみ交換するタイプと、腹下部分のセンターパイプも含めて交換するタイプの2つに大きく分類できます。

より手軽にマフラー交換を楽しみたいならリアピース交換タイプが安価でおすすめです。排気効率向上や装着することによる満足感を得たいならセンター・リアパイプ交換タイプをおすすめします。

ジムニーJB64/74のマフラーはリアピース・センターパイプとリアピースのみの2種類
リアピースのみ(右)とセンター・リアパイプ(左)

画像:HKS

タイプ別で比較する

どんなマフラーを選んだら良いのかわからない方のために、ジムニー用のおすすめ社外マフラーをまとめました。

タイプ別で分類し比較できるようにしているので、これからのマフラー選びにお役立てください。

【タイプ別で比較】ジムニーJB64におすすめの社外マフラー


社外マフラーの車検について

社外マフラーへの交換で気になることが車検ではないでしょうか?自動車用の社外マフラーは排気音による周囲への影響が大きいため、保安基準によってしっかりルールが決められており、基準に適合しないマフラーは車検に通りません。

ジムニーのマフラー交換を行う際には、必ず保安基準に適合する製品を選ぶことが重要です。それでは、ジムニーの社外マフラーを装着するにあたってどのようなことを知っておけばいいか?車検対応のマフラーの選び方について見ていきましょう。

社外マフラーが車検に適合する基準とは?

現在、ジムニーに装着できる社外マフラーのほとんどは基準に適合しており、車検にも適合します。

その基準は、認証機関からの許可を受けているかどうかに基づいています。認証機関とは社外マフラーが保安基準内で作られているか事前に検査する機関です(事前認証制度)。

許可を受けたマフラー本体には、認証プレートが溶接されており、車検の際にはこの認証プレートが車検可否の判断基準となります。

認証機関は「JQR」「JATA」「JARI」の3つが存在し、社外マフラーのメーカーごとに認証を受ける機関は異なります。

参考新制度(事前認証制度)とは? | BLITZ

認証プレートが貼り付けられたジムニー用の社外マフラー

車検対応マフラーの選び方

先述の通り、ジムニー用の社外マフラーのほとんどは事前認証制度によって許可を受けているものがほとんどなので車検に適合します。

商品説明にも車検対応である旨は記載されているので間違って選ぶことはないと思いますが、まれに事前認証制度の許可を受けていないマフラーも存在します。ただ、車検対応品よりも明らかに低価格なものが多いので、不安なら購入前に確認しておきましょう。

また、注意しておいてほしいのは事前認証制度によって許可を受けた社外マフラーであることを証明できるのは認証プレートのみであることです。適合証明書のような書類によって基準に適合していることの証明はできません。つまり、認証プレートが何らかの理由で欠落している場合、車検には通らないことになります。

車検に適合しないマフラーを選ぶリスク

価格面だけを見ると事前認証制度を受ていないマフラーは開発コストが抑えられるため低価格で販売できています。その代わり車検に適合しない問題が起こります。

車検に適合しないマフラーを取り付けると車検が通らなくなるだけでなく、保安基準に適合していないクルマと判断され、ディーラーから入庫を断られたり、カー用品店でちょっとしたパーツの取り付けも断られる可能性があります。

著しく排気音がうるさい場合には交通違反となるリスクも考えられます。そのため、ジムニーのマフラー選びでは必ず車検に適合する製品を選ぶことが重要です。


気になる社外マフラーの音量

ジムニーのマフラーを交換しようと考えている人の多くはある程度の音量アップを望んでいるのではないでしょうか。ただ、近隣に迷惑が掛かってしまうほどの音量アップは避けたいところだと思います。

そうすると気になってくるのが社外マフラーの音量です。事前認証を受けている社外マフラーの音量に関して言えることは、車検に通る範囲の基準で作られているため、うるさくもなくちょうど良い音といえるでしょう。

参考までに事前認証を受けているアピオ製の「静香御前マフラー(JB74用)」のサウンド動画を聞いてみてください。

純正マフラーとの音量の違い

純正マフラーと社外マフラーはいったいどれぐらい音量が違うのか知っておけばマフラー選びが進めやすくなります。

各メーカーにより音量の違いはありますが、純正マフラーよりも10dB前後音量が大きくなると思ってもらえば問題ないと思います。

実際の例を出すとフジツボ製「A-RM(260-81902)」の音量はアイドリング時で純正より13dBアップ。エンジン回転数が4500rpm時の音量で10dBアップとなっています(以下参照)。

  標準(STD) FUJITSUBO
音量アイドリング 55dB 68dB
近接排気騒音(4500rpm) 80dB 90dB
3000rpm 68dB 81dB
5000rpm 79dB 84dB
4000rpm〜6000rpm 87dB 96dB

参照:JB64W ジムニー (Jimny)|FUJITSUBO 藤壺技研工業株式会社 | 自動車マフラー・エキマニ パーツメーカー


マフラーは自分で交換できる?

なるべくコストを抑えてジムニーのマフラー交換をすると考えた時に思い浮かぶことが自分でマフラーを交換することかもしれません。

その分取り付けの工賃が浮くのでマフラーの購入費用に充てることができます。ただ、マフラー交換の作業がどんなものかイメージできない方もいるかもしれません。

個人差があるのでなかなか断言することは難しいですが、ある程度の作業スキルを持っているならマフラー交換はできます。

しかもジムニーなら車高が高いので、ジャッキで車体を持ち上げなくても交換することができるので作業のハードルは低いといえるでしょう。

取り付け工賃の相場

自分でマフラー交換はできそうだけど、作業場所を確保するのが難しかったり、単純に面倒くさいと思っているオーナーの方も多いと思います。

そうなると気になってくるのがマフラーの取り付け工賃です。どんなマフラーを取り付けるかによって異なりますが、一般的にマフラー交換の取り付け工賃は約1万円から3万円の間で設定されることが多いです。リアピースのみの交換なら1万円以下の工賃で収まる場合もあります。

工賃の内容にはマフラーの取り外し、新しいマフラーの取り付けが含まれていて、古いマフラーも処分してくれる場合がほとんどです。


ジムニーのマフラー交換を検討するためのポイント

ジムニーのマフラー交換を考える際には、まず何を目的にするのか明確にすることで自分がどんなものを求めているのか知ることができます。主にパワー、音質、見た目のどれかを重視することになります。そして車検の適合が取れているマフラーなのか確認することも重要です。

費用面ではマフラー本体の価格だけでなく、取り付け工賃も考慮しておいたほうがいいでしょう。DIYでの取り付けを検討する場合は、必要な準備やリスクも理解しておくと安心です。これらのポイントを押さえて、自分に最適なマフラーを選ぶことが、満足度の高いカスタマイズにつながります。

4×4エスポワールではマフラー交換も含めた総合的なジムニーカスタムを得意としております。自社オリジナルのリフトアップ用サスペンションも豊富に取り揃えておりますので、ジムニーカスタムでお悩みの方はお気軽にご相談ください!

 


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