ジムニーの中古車がなぜ高いのか考察してみた

ジムニーの中古車がなぜ高いのか考察してみた

「中古車のジムニーってなんであんな高いの?」って多くの人が口を揃えて言います。

今回、独断と偏見でジムニーの中古車がなぜ高いのかを考察してみました。

中古のジムニーが高くなる理由は言い換えればジムニーが売れる理由でもあるので、その点も考慮しながら読み進めてみてください。

目次

ライバル車が不在

圧倒的ブランド力

乗って楽しい、イジって楽しい車

キャンプ&アウトドアブームも後押し?

ないと困る車だから

JA系ジムニーのプレミア化

結論:ジムニーしかないから


ライバル車が不在

もっともライバル車として近い存在だったのは2012年に生産を終了したパジェロミニです。

パジェロミニはジムニー唯一のライバル車として認知されていましたが、実際にはパジェロミニとジムニーには大きな違いがありました。

それはジムニーが「ラダーフレーム」と「前後リジッドアクスルサスペンション」を採用している点です。

この構造は、本格的な4WD車に採用されているものであり、例えばランクル70系やジープラングラーにも採用されています。

パジェロミニではこの構造を採用していないため、厳密にはライバル車であるとは言い難く、もっと言うと軽自動車のみならず小排気量クラスでこの構造を採用しているのはジムニーしかないのです。

そのため、中古車市場でも小型な本格4WD車の需要に応えられるクルマがジムニーしかなく、相場がなかなか下がらない要因となっています。

パジェロミニ
2012年に生産を終了したパジェロミニは厳密にはジムニーのライバル車とはならない

圧倒的ブランド力

たかが軽自動車とはいえジムニーのブランド力、ネームバリューは圧倒的といえます。

発売から50年の歴史はもちろんのこと、現行のJB64/JB74ジムニーがひとつの社会現象とまで言われるほど驚異的な人気を誇っていることで、ブランド力はさらに強まった印象があります。

これには確固たるバックボーンがあり、50年間変わらない基本構造やオフロードでの走破性といったコンセプトをスズキが守り続けてきたからです。

中古車市場でもこのブランド力が値落ちしない理由のひとつとして大きな影響を与えていると思います。

歴代ジムニーのデザイン


乗って楽しい、イジって楽しい車

ジムニーは中古車市場では「値落ちしなくて高いクルマ」と評価されますが、視点を変えると、実はコストパフォーマンスの高い車とも言えます。

なぜならオフロードで遊べて、イジって楽しめて、低価格で手に入る車を探すとなるとジムニーの一択になるからです。

同じ遊びをするためにフルサイズのランクルやジープラングラーを選択すると、車体やパーツ、維持費の面でジムニーとは比較にならないほどお金がかかります。また、ジムニーはこれらのフルサイズ車に引けを取らないポテンシャルを持っています。

アフターパーツが豊富で安く、多くのジムニー愛好家が存在することから色々な情報が入手しやすいのもジムニーの良いところだと思います。

車としての楽しみの幅を基準に費用面を考慮していくと、結果的にジムニーの中古車は高いように見えて実際にはコスパが高く、トータルで考えると安いクルマと評価されていると考えます。


キャンプ&アウトドアブームも後押し?

もともとジムニーはキャンプやアウトドアと相性が良い車ですが、昨今のキャンプブームでアウトドアギアとしてジムニーを選ぶ層が増えていることも中古車相場に少なからず影響を与えていると思います。

有名なところでは、芸人のヒロシさんがYoutubeでジムニーを愛車としてキャンプに使い倒していたり、SNS上ではジムニーでおしゃれにキャンプをしているユーザーを多く見つけることができます。

ネット上でのこれらのコンテンツを目にした人達がジムニーに対してポジティブな印象を持ち、中古車を購入する動機に繋がっていると推測できます。

 
 
 
 
 
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ないと困る車だから

先代JB23ジムニーの時は現在のような爆発的な人気はありませんでしたが、コンスタントに月間1000台ほど販売されていたのです(現行のJB64は月間3000台ほど)。

参考統計資料 – 一般社団法人 全国軽自動車協会連合会

コンスタントに売れ続ける理由として「ジムニーじゃないとダメ」「ジムニーが良い」といった確かな需要が存在します。

わかりやすい例はJAFで使用されるジムニーです。レッカー車が入れないような細い山道での救援にはコンパクトで走破性の高いジムニーがベストなのです。

また、日本郵便が豪雪地帯でも確実に配達できるようにジムニーを配置しているのもわかりやすい例だと思います。

この他に生活圏に険しい道があったり、山の奥深く入る林業や猟師関係の方にとってもジムニーは「ないと困る車」なのです。

結果としてジムニーに需要が集中するため、自然と中古車相場も値落ちが少なく高くなってしまう要因となります。

JAFのジムニーJB23

画像:千葉の住人「dun」のジムニー


JA系ジムニーのプレミア化

ここ数年で価格高騰の著しいモデルが発売から30年近く経つJA系ジムニー(JA11/JA22など)です。

このモデルは、オフロード走行のベース車両として昔から高い人気を誇っていましたが、時代の流れとともに価値観が変わり、現在ではプレミア化し旧車としても評価されるようになってきました。

現行のJB64系がJA系ジムニーの特徴的なデザイン(角張ったボディ、丸目ヘッドライト)をオマージュしたことで、プレミア化にさらに拍車がかかりました。

中古車市場ではボディに全塗装を施し、内装もリフレッシュしてきれいに仕上げたレストア車両だと100万円を超えることもザラです。

このようなレストア車両がJA系ジムニーの相場を引き上げていることは間違いありません。

 

オシャレ化したJA系ジムニー


結論:ジムニーしかないから

ジムニーの中古車が高い理由を考察してきましたが、さまざまな要因が絡み合いながらも、すべては「ジムニーしかないから」に尽きると思います。

結局、ジムニーと競合できる車がない以上、需要と供給のバランスで成り立っている中古車市場で需要が集中するジムニーの中古車が高くなるのは自然なことです。

あくまでも独断と偏見で勝手に考察しただけの内容ではありますが、少なからず当てはまる内容があるのではないかと思います。

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