ジムニーはオンロードとオフロードで最適なタイヤの空気圧は異なります。
たかが空気圧と思われがちですが、実は乗り心地や操縦安定性だけでなく、オフロード走破性にも大きな影響を与える重要なポイントです。
また、ジムニーのタイヤを大径化した場合の空気圧についても気になるところのひとつだと思います。
果たしてジムニーのタイヤの空気圧はいったいどれぐらいが最適なのでしょうか。
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オンロードの空気圧
運転席ドアを開けたところに貼り付けられている指定空気圧のシールにはこのように書かれています。
現行型ジムニーJB64の指定空気圧 | |
●前輪:160kpa | ●後輪:180kpa |
これがスズキが指定する現行ジムニーJB64の空気圧(175/80R16)です。ちなみに先代のジムニーJB23も同様の指定空気圧です。
純正サイズのタイヤであれば基本的に指定空気圧を守っていれば問題ありません(後部に人や荷物を乗せないユーザーは後輪を160kpaにして乗り心地をソフトにするケースもある)。
ここで比較したいのが現行ジムニーシエラJB74の指定空気圧です。ジムニーシエラはジムニーより約50kg重いため、前後輪ともに180kpaが指定空気圧(195/80R15)となっています。
さらに比較するとおもしろいのが、先々代のジムニーJA11です。現行ジムニーよりも車重が100kg以上軽いため、指定空気圧は前輪が140kpa、後輪が180kpaとされています。後輪の指定空気圧が高い理由はJA11は貨物車として最大積載量200kgを想定して設計されているためです。
大径タイヤの空気圧は変えたほうが良い?
リフトアップカスタムが定番のジムニーはオフロード走破性と迫力ある見た目を手に入れるために、大径タイヤへ履き替えることが一般的です。
しかし、タイヤの外径を大きくしたら空気圧はどうしたらいいの?とお悩みの方もいらっしゃると思います。
なぜなら、大径タイヤと言っても、サイズやタイヤスペックの違いによって適正空気圧は異なるからです。
ひとつの基準として答えを出すなら180kpaを目安しておくと良いでしょう。
ジムニーに履ける常識的なタイヤサイズの範囲内ならば、この数値を基準として±20kpa程度の幅で調整すればベストな空気圧を見つけることができると思います。
180kpaを基準にする根拠
タイヤの空気圧を決定するためにはタイヤ負荷能力を表す数値であるロードインデックス(LI)が重要となります(下画像参照)。
ここからちょっとややこしくなりますが、ジムニーの純正タイヤのロードインデックスは91。タイヤ1本で支えられる重さは520kg(空気圧180kpa時)となります。
例えば純正サイズよりワンサイズ大きく、ジムニー乗りから人気の高い「トーヨー オープンカントリーR/T 215/70R16 100Q」は、ロードインデックスが100なのでタイヤ1本で支えられる重さは675kg(空気圧180kpa時)と純正サイズよりも許容量が増加します。
実は、タイヤの大径化およびワイド化によって接地面積が増えると、支えられる重さへの許容量も増加するのです。
要するに180kpaの空気圧があれば必要十分なタイヤ強度が間違いなく保たれていることになります。
LTタイヤの空気圧はどうなるの?
ジムニーに装着される大径タイヤの中にはLTタイヤといわれる貨物車用タイヤが多くあります。
判別方法としてはタイヤサイズの一部に「LT」の記載があるか、サイズ表示が「6.50R16」や「7.00R16」となっている場合も貨物車用のLTタイヤと判断することができます。
これらのLTタイヤには乗用車用タイヤよりも高い空気圧が指定されています。
メーカーやタイヤにより異なりますが、BFグッドリッチでは乗用車用タイヤからLTタイヤに履き替える場合は以下の理由から50kpa高く入れるように指示しています。
これらLTサイズのタイヤを低めの空気圧で使用すると偏摩耗やタイヤへの無理なたわみの増加などにより疲労が蓄積し、タイヤに悪影響を及ぼす事が考えられますので注意が必要です。乗用車用タイヤ規格の純正指定空気圧に対し一般的には 50kpa(0.5kgf/cm2)程度高めに設定する必要がありますが設定空気圧は各車両、タイヤサイズにより異なりますので必ず販売店にご相談下さい。
他のタイヤメーカーでも、LTタイヤには高い空気圧が指定されています。問題はタイヤメーカーの指定通り空気圧を高めると車重の軽いジムニーでは乗り心地の悪化は当然のこと、ステアリングへのキックバックやジャダー現象の誘発といった様々な弊害が起こります。
このような弊害があるため、LTタイヤであっても空気圧は高めずに、200kpa以下の空気圧で運用しているジムニー乗りが多いのが実情です。
とはいえ、タイヤメーカーがLTタイヤに高めの空気圧を推奨している点は知っておくべきポイントでしょう。
オフロードの空気圧
ひとくちにオフロードと言ってもジャンルによって最適な空気圧は異なります。今回は空気圧が特に重要となる低速域のオフロードについて取り上げます。
クロカン走行、トライアル競技、ロッククローリングなど、低速域のオフロードでは、タイヤの空気圧によって走破性に大きな違いが生じます。
それぞれのジャンルによって最適な空気圧に違いはありますが、基準となる空気圧について紹介していきましょう。
100kpaを基準
純粋に走破性だけを追求するなら空気圧は低くすればするほど接地面積が広がり、グリップ力は高まります。しかし、極端に空気圧を低くするとタイヤの変形が大きくなりビード落ちが発生する確率が高まってしまいます。
実際にビードが落ちしてしまうと、自走が困難となり危険な状況に陥ります。
ビード落ちがしづらく、適度なグリップ力を確保できる空気圧として、100kpaをジムニーのオフロードにおける空気圧の基準と考えます。
ある程度のマージンを取った空気圧ではありますが、それでもタイヤに横方向の力がかかると、ビード落ちが発生する可能性があります(特にフロントタイヤ)。
また、荷物をたくさん積んでいる場合は少し高めにしたり、逆にピンポイントでグリップ力を確保したいときには、リスクを承知で空気圧を低くするなど状況に応じて空気圧を調整しましょう。
もっと空気圧を落とすためには
タイヤの空気圧を下げて走破性を高める場合、ビード落ちのリスクが伴います。そこで、極限まで空気圧を下げるために「チューブを入れる」方法が1つにあります。
ジムニーはチューブレスタイヤが標準ですが、チューブを入れることでビード落ちを防ぎ、空気圧を低くすることができます。この方法はトライアル競技や難所系クロカンでは定番の手法です。目安にはなりますが60kpa程度まで空気圧を落とすことができます。
さらに空気圧を落とすためには「ビードロックホイール」と呼ばれる特殊なホイールが必要となります。これは、タイヤのビードをボルトによって固定するホイール(下画像)で、ほぼビード落ちとは無縁になるため、極限にまで空気圧を落とすことができます。主にロッククローリング用のマシンに装着されています。
空気圧は大切
ノーマル派の方にとってはほとんど関係のない内容でしたがジムニーの空気圧について取り上げてみました。色々な考え方があると思うので人によっては全然違う空気圧で運用している場合もあるかもしれません。参考として取り入れていただければと思います。
たしかに言えることはタイヤの空気圧ひとつでジムニーの印象は全く変わるので、こまめに管理しておくことをおすすめします。
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